高架駅に対する大胆不敵な挑戦

行橋
ゆくはし
Yukuhashi

行橋駅

 地方都市の玄関となっている駅は、鉄道駅らしい無骨で実直な印象を与えるつくりになっているものが多いものです。しかし、高架化されて一新された行橋駅は、そんな先入観などかなぐり捨てて、ドンとスケールアップしたような形になっています。この高架駅は、行橋市の土地区画整理事業にあわせて、福岡県とJR九州が「JR日豊本線行橋駅付近連続立体交差事業」を計画してつくられたもので、1997年5月に工事着手、1999年9月に工事竣工にいたったものです。

 ホームは島式2面4線から成りますが、駅の外に出ずとも度肝を抜かれるのが、随所に踊る曲線の連続。楕円を切り取って並べたようなホーム上屋、アーチを描く出口指示など、二次関数のグラフが座標の上で踊るかのごとき景観をなしています。上屋そのものはオーソドックスなバタフライ屋根なのですが、全体に伸びやかな雰囲気をつくっています。また、採光もよく計算されているようで、非常に明るく開放的です。もっとも、直線で形成される部分も当然のことながら多く、それとのバランスがあまり取れていない印象も否定できません。

行橋駅ホーム

行橋駅ホーム。曲線を多用した、伸びやかな空間になっています。《2008年11月2日撮影》

 ホームの上は印象的なのですが、地味に凝っているのはむしろ高架下。コンコースは東西に通り抜けができるようになっており、北側に中央改札口が設けられ、線路と平行する通路沿いに店舗が入るという、これだけであれば平凡な高架駅です。ところが、行橋という駅は、それにとどまりません。

 商業スペースとして有効活用する場合には商店がぎっしり並ぶ、ゆとりある空間をつくろうとすればむやみと広いコンコースに椅子がぽつぽつ並ぶ。左右を通り抜けできる高架駅では、これが一般的でしょう。しかしここ行橋では、乗客の歩行ルートを広めにとる一方で、高架下の店舗に対しても採光などを考慮し、非常に開放的な空間をつくっています。高架下特有の圧迫感がほとんど感じられず、この点を取ってみても、実にすぐれた構造になっているといえましょう。すでに解体されてしまった阪急梅田駅を彷彿とさせる天井の曲線もまた、歩行者に対してやさしい空間を提供しています。

行橋駅コンコース

行橋駅コンコース。ここまで圧迫感を抑え込んだ駅はめったにありません。《2008年11月2日撮影》

 駅の外に出ると、駅全体のバランスを保ちつつ加えられた装飾が目を引きます。軒という日本語がミスマッチと思える3つのアーチが玄関付近に用いられ、その上にも同じ形のものが取り付けられています。支柱は尖塔のごとく凛とした方向性を与えており、穏やかさと躍動感の双方を示しています。おそらく橋をイメージしたものと思われますが、元となったモチーフについてはわかりません。

 さらに、駅舎と足並みをそろえるかのように、駅前広場にもさまざまな仕掛けが行われており、広場を歩いているだけでも飽きません。トリック探しをするというのではなく、駅を核として都市の顔をつくりだすとはどういうことなのかについて出された解答を解釈する、そんな気分になります。

 街の風景を大きく変えてしまう建造物であることは確かであり、したがってかつての小ぶりな駅とのギャップに戸惑う向きも多いでしょう。しかし、これだけ大胆な挑戦をした駅はめったにあるものではありません。もっと話題をよんでしかるべき、快作だと思います。

 駅の東側には古くからの商店街が並んでおり、金融機関なども立地しています。いっぽう西側は新しく開発された地域で、高層マンションやショッピングセンターなどが並んでおり、東口とは好対照です。

停車列車 [2008年11月現在]

 すべての列車が停車します。

乗り場

 東側から順に、1番線、2番線…となります。5番線は、平成筑豊鉄道田川線に割り当てられています。

駅名の由来

 確認中。

歴史

周辺の見どころ

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《乗り換え》平成筑豊鉄道-田川線

2008年11月25日

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