北九州のかつての港湾拠点

若松
わかまつ
Wakamatsu

若松駅

 旧若松市の中心駅で、1面2線の頭端式ホームを持っています。筑豊炭田の全盛期にはここから大量の石炭が船へと巨大なクレーンで積み出されたといわれます。

若松駅ホーム

若松駅ホームは堂々とした広いもので、多数の乗客がいた時代があったことをしのばせます。《2005年3月10日撮影》

 駅舎は比較的新しい鉄筋の駅舎で、北九州市内のほかの主要駅に比較すると、ずいぶんコンパクトにまとまっているという印象を受けます。駅舎が洞海湾側に妙に長く延びているのは、かつて貨物の扱いでにぎわった名残でしょうが、現在では貨物扱いの跡地は住宅や駐車場に転用されています。駅には簡易型自動改札機が導入されています。立ち食いうどんのスタンドもあり、ご当地駅弁「かしわめし」が販売されています。

 駅周辺は商店街が形成されています。駅前から海にかけては古い建物が多く並んでおり、門司と同様、往事の賑わいを感じさせますが、こちらはほとんど観光地化されていないようで、レトロなビルに「テナント募集」の張り紙が色あせていたりします。戸畑に向けた渡し船が出ており、若戸大橋の下を通ります。

乗り場

 確認中。

駅名の由来

 若松という地名の由来は、恵比須神社の『恵比須神社縁起』に書かれています。それによると、仲哀天皇と神功皇后が熊襲を征伐したとき、洞の海に霊石を見つけ、これを神体としてまつり、神社の海辺に小松を植えました。このとき、お供をしていた武内宿弥が、「海原の滄瞑たる、松の青々たる、我が心も若し」(注釈省略=引用者注)と言ったことから、「若松」の地名になったと伝えられています[1](ルビは引用者によって省略)とのこと。

歴史

 筑豊興業鉄道の手によって開業し、筑豊から産出される石炭の搬出に活躍しました。

周辺の見どころ

 石炭の積み出し港として繁栄した往事をしのばせる古い建造物が多く残っています。門司港とは異なり観光地化が進んでいないため、落ち着いた雰囲気とわびしい雰囲気が同居しています。その一方で、歴史的建造物の荒廃も進んでいるように見受けられ、今後がいささか心配です。

旧古河鉱業若松ビル

 駅から東へ、徒歩4分。レンガ造り2階建て(一部3階建て)の建物で、道路のコーナー部分にRを持たせて円筒形の塔がトレードマーク。優美さを示しつつも、大正時代にこのデザインはなかなか華美に感じられたことでしょう。1919年建造、現在では旧若松市のシンボル的な存在になっています。国登録有形文化財。見学無料。

【URL】http://www.k4.dion.ne.jp/~fkw/

◆ 訂正 ◆


2003年10月18日
2005年3月26日、加筆修正
2008年11月21日、記述訂正および加筆修正

ご意見、ご感想などは、脇坂健までお願いいたします。
Copyright ©1999-2008 Wakisaka Ken. All Rights Reserved.