勅旨からしばらく右手に田園地帯が開けたところを進み、ゆるやかな丘の谷間に入るかと思うと、すぐに玉桂寺前駅です。勅旨駅との間は1kmで、信楽線内では紫香楽宮跡-雲井の0.6kmについで短い駅間です。なお、玉桂寺は「ぎょっけいじ」と読みますが、この駅名は「ぎょくけいじ」です。

玉桂寺前駅入口。写真中央の階段のほか、右側に伸びる通路からもホームへ出入りできます。《2008年3月29日撮影》
簡素な片面ホームに短い屋根、据え付けのベンチがあるのみというごくシンプルな駅で、待合室やトイレなどはありません。駅のすぐ東側が小山となっており、その側にホームが設けられているため、駅は外部からはややわかりにくいところにあります。駅前は少し広くなっており自動車などを停めることもできますが、駅へのアプローチが水田のあぜ道であり、そうそう車を不用意に乗り入れるのも気が引ける構造になっています。

玉桂寺前駅ホーム。玉桂寺に行くには、バックに見える吊り橋をわたります。《2008年3月29日撮影》
駅名となっている玉桂寺はすぐ近くに位置しますが、ホームと線路を挟んで反対側にあるため、ホームの上を通っている吊り橋をわたって反対側へ向かうこととなります。足場があまりよくないため、雨天時や強風時には通行は避けたほうがよいと思われます。なお、ホーム側には民家はごく少なく、利用者の多くはこの吊り橋を使っているものと思われます。
駅近くにある寺院の名称からとられたものです。
信楽高原鐵道転換時に新設された駅で、設置費用は全額自治体からの補助および転換交付金で賄われました。
駅から吊り橋をわたり、徒歩5分。奈良時代後期の淳仁朝に仮御所(保良宮)が置かれたのち、弘法大師がこの地に回帰したと伝えられます(ただし、保良宮が信楽の地にあったという事実は確認されていません)。境内には、弘法大師が植えたと伝わる高野槇がみごとな幹を見せており(国指定天然記念物)、それを取り巻くように林が形成されています。また、水子供養の風車が多数回っており、独特の景観を見せています。寺宝の阿弥陀如来立像は国指定重要文化財(鑑賞要予約)。拝観無料。
2008年6月2日
ご意見、ご感想などは、脇坂健までお願いいたします。
Copyright ©1999-2008 Wakisaka Ken. All Rights Reserved.